JONSBO U4R
はじめに
こんにちは、みなさん。今回は筆者が6年前に組んで今なお現役の自作パソコンをアップグレードした話をしたいと思います。
最近、話題のAI画像生成や、最新のソフトウェアで動画編集をやってみたのですが、やはり古いパーツでは性能的に厳しいと感じる場面が多々ありました。
その辺りの細かいお話は前回投稿した以下の記事で書いてますので、よろしければ合わせてお読みいただけると嬉しいです。
この記事では、以下の内容についてシェアしたいと思います。
- アップグレード前後のパーツの比較
- アップグレード後のPCの見た目と性能
- アップグレードの感想とまとめ
それでは、早速見ていきましょう。
アップグレード前後のパーツの比較
まず、自作PCの以前からの主なスペックは以下のとおりです。
項目 | パーツ |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 1600 BOX |
CPUクーラー | AMD Wraith Stealth Cooler |
メモリ | Corsair CMN16GX4M2Z3200C16 (8G×2) × Corsair CMK16GX4M2A2666C16 (8G×2) |
ストレージ | SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT (512GB) × WESTERN DIGITAL WD60EZAZ-RT (6TB) × Seagate ST2000LM003 (2TB) |
マザーボード | ASUS ROG STRIX B350-F GAMING |
グラボ | MSI GTX 1060 AERO ITX 6G OC |
電源 | COOLER MASTER V650 Semi-Modular |
ケース | JONSBO U4R |
ちなみに、2016年から継続して今後もそのまま使用する愛用パーツ達は下図のとおりです。
SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT (512GB)
Seagate ST2000LM003 (2TB)
Corsair CMK16GX4M2A2666C16 (8G×2)
COOLER MASTER V650 Semi-Modular
WESTERN DIGITAL WD60EZAZ-RT (6TB)
Corsair CMN16GX4M2Z3200C16 (8G×2)
akasa Vegas X7
ASUS MX239HR
この中で、CPU、CPUクーラー、ストレージ、マザーボード、グラボについて今回テコ入れしてみました。
2,3週間ほど色々と調べて、セールや在庫状況を見ながら揃えた結果、以下のようになりました。(太字が換装対象のパーツ)
項目 | パーツ |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 5600X BOX |
CPUクーラー | DeepCool AG400 ARGB |
メモリ | Corsair CMN16GX4M2Z3200C16 (8G×2) × Corsair CMK16GX4M2A2666C16 (8G×2) |
ストレージ | Predator GM7 2TB × SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT (512GB) × WESTERN DIGITAL WD60EZAZ-RT (6TB) × Seagate ST2000LM003 (2TB) |
マザーボード | ASRock B550 Steel Legend |
グラボ | ASUS DUAL-RTX4060-O8G |
電源 | COOLER MASTER V650 Semi-Modular |
ケース | JONSBO U4R |
【CPU】AMD Ryzen 5 5600X BOX
AMD Ryzen 5 1600から5600Xに変えました。当初は5600無印で予定してましたが、マザボとセットで購入すると金額的な差がほぼ無くなったので、より性能の高い5600Xを選びました。
これはRyzen第4世代のZen3アーキテクチャ(プロセスルールは7nm)を採用した最新世代のCPUで、1600無印と同じくコア数は6、スレッド数は12で変わらずです。
1600無印は弱かったシングルコア性能が飛躍的に向上しているらしい。
クロック周波数は3.7GHzから4.6GHzまで動作するので、定格3.2GHzで動作する1600無印に比べると結構高めです。
TDPは65Wで、1600無印と同じく省電力(アイドル時性能はインテルCPUに負けますが、使わないときは基本シャットダウンする使い方なのでw)なので安心。
今回はマザーボードも変えたのでこの利点を活かせなかったのですが、AM4ソケットなのでCPUのみ換装する方にも向いてます。
- 現行パーツ(Ryzen 5 1600)とのスペック比較表
項目 | Ryzen 5 1600 | Ryzen 5 5600X |
---|---|---|
アーキテクチャ | Zen | Zen 3 |
パッケージ | AM4 | AM4 |
プロセス | 14nm | 7nm |
コア数/スレッド数 | 6/12 | 6/12 |
定格クロック | 3.2GHz | 3.7GHz |
最大クロック | 3.6GHz | 4.6GHz |
L1キャッシュ | 576KB | 384KB |
L2キャッシュ | 3MB | 3MB |
L3キャッシュ | 16MB | 32MB |
PCIeバージョン | PCIe 3.0 | PCIe 4.0 |
最大温度 | 95℃ | 95℃ |
TDP | 65W | 65W |
付属クーラー | Wraith Spire | Wraith Stealth |
【CPUクーラー】DeepCool AG400 ARGB
当初は変更する予定がなかったCPUクーラーですが、調べていくうちに5600Xは熱くなりやすくリテールクーラーでは冷やしきれないというレビュー記事をいくつか拝見し、そこまで高額なパーツでもないので今回初めてAMDの純正クーラーから脱却し、王道となるサイドフロー型のCPUクーラーを採用しました。
これは、Ryzen 5 1600に付属していたCPUクーラーですが、正直言ってあまり冷えないと感じました。また、見た目も地味で、RGB LEDがないのも少々寂しいですね。
DeepCool製のCPUクーラーとして最も人気が高くて高コスパな「AK400」を最初は検討してましたが、筆者のPCケース「JONSBO U4R」は案外コンパクトなので収まらなくなる懸念があったのと、新鮮さが物足りないなと思いました。
そこで、後発の「DeepCool AG400 ARGB」を選んだのですが、AK400と同じく120mmのARGBファンを搭載したCPUクーラーで、高さはAK400が155mmでAG400が150mmと、5mm低くなってます。
ダイレクトタッチ方式なので、ヒートシンクがグリスを介して直にCPUの表面と触れる設計となってます。
CPUから熱を急速に拡散する4本のヒートパイプを備えており、最大220Wの放熱電力によりシステムの冷却性能を向上させます。性能的には両者同じなのですが、AG400の方はヒートパイプが曲がった設計となっており、メインメモリに干渉しにくい構造となってるのが利点です。(マザボにもよると思われますが、AK400でメモリと干渉して運用上不安・・・というレビュー記事をいくつか見かけたので、安全面も考えてAG400にしました)
結果、メモリにも干渉しなかったのでB550 Steel Legendなら問題無しです。
「3,250円」と、金額にして300円程度しか変わらなかったので、所有感としてもAG400を選んで良かったなと思います。
また、見た目もカッコよく、ARGBファンはマザーボードやリモコンで色やパターンを自由に変えることができます。
今回、筆者が購入したASRockのマザボに搭載されている「Polychrome Sync」という機能にも対応しており、マザボのBIOSや純正ソフトウェアでLEDの光り方を制御可能です。
- Ryzen 5 5600x付属のクーラーとのスペック比較表
項目 | AMD Wraith Stealth | deepcool AG400 ARGB |
---|---|---|
ヒートシンクの高さ | 54mm | 150mm |
ファンのサイズ | 80x80x15mm | 120x120x25mm |
ファンの回転数 | 800~2800rpm | 500~2000rpm |
ファンのノイズレベル | 30~39dBA | 31.6dBA以下 |
ファンの風量 | 24.1CFM | 75.89CFM |
LEDライティング対応 | × | ○ |
TDP | 不明 | 220W |
本体サイズ | 98x95x54mm | 125x92x150mm |
【ストレージ】Predator GM7 2TB
Predator GM7 2TBを追加し、メインストレージを従来のSAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/ITから変更しました。
これはPCIe Gen4 x4 NVMe M.2 SSDで、PCIe Gen3と比べると理論値では2.5倍程度シーケンシャルは早くなってます。
読み込み速度は最大7,200MB/s、書き込み速度は最大6,300MB/sとかなり高速。
容量も2TBと大きく、高速かつ大容量のストレージとして優秀で、従来のメインSSDの950PROと比べるとその差4倍・・・一方で、当時2.6万で購入した950Pro 512GBに対し、今回購入したPredator GM7 2TBはなんと1.2万弱という驚異のコスパ😅
TBW (Total Byte Written=総書込みバイト量) は1,200TBWとまぁ十分な量でしょう。
画像にもあるように、Maxio製のコントローラ「MAP1602A」を搭載し、また少し見えづらいですが232層3D TLC「BWN09TC1B1JCAD」という512GのNANDチップを片面に4枚搭載してますね。
おなじみのmaxio_nvme_fidというツールのチェック結果も参考までに掲載しますね。
- 現行パーツ(SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT)とのスペック比較表
項目 | SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT | Predator GM7 2TB |
---|---|---|
容量 | 512GB | 2TB |
インターフェイス | PCIe Gen3 x4 / NVMe1.1 | PCIe Gen4 x4 / NVMe1.4 |
読込速度 | 2500MB/s | 7200MB/s |
書込速度 | 1500MB/s | 6300MB/s |
ランダム読込 (QD32) | 300,000 IOPS | 925,000 IOPS |
ランダム書込 (QD32) | 110,000 IOPS | 974,000 IOPS |
NANDタイプ | V-NAND | 3D TLC NAND |
DRAMキャッシュ | 512MB LPDDR3 | 無し |
TDP | 7W | 5.67W |
アイドル時消費電力 | 70mW | 48mW |
重量 | 6.95g | 7g±1g |
保証期間 | 5年間 | 5年間 |
耐久性 | 400TBW | 1200TBW |
MTBF | 150万時間 | 150万時間 |
参考ページ: Predator GM7 PCIe 4.0 M.2 SSD🔗
【マザーボード】ASRock B550 Steel Legend
ASUS ROG STRIX B350-F GAMINGからASRock B550 Steel Legendに変えました。
先に紹介した5600Xと合わせて3.3万弱だったので、コロナ禍で高騰してた頃に比べると半額くらいの値段で買えたと思います(時期は遅いけど、そういう意味ではコスパ高め)
従来のB350-F GamingではPCIe Gen3までしか対応していなかったので、PCIe Gen4のSSDやグラボを搭載しても性能を十分に引き出せないのが出せないのがネックでした。
これはB550チップセットを搭載したマザーボードで、PCIe Gen4に対応しているので、SSDもグラボもPCIe Gen4接続で十分な性能を発揮できます。
VRMも14フェーズと、オーバークロック耐性も強め。ハイエンド向けマザボで一般化しているDr.MOSも搭載。
RGB LEDや高品質なオーディオコンポーネントなども備えており、見た目や音質も良いです。
ただ、RGB発光についてはCORSAIR iCUEに非対応のため、元々導入済みのCORSAIR VENGEANCE RGB RT DDR4メモリのRGB制御はできず・・・システム構成内で唯一メモリだけ光り方を同調できないのが残念ですね😓
LANに至ってはRealtek製のRTL8125BGを搭載しており、2.5GbEとかなり強力なスペック・・・ベストエフォートで1Gbpsのインターネット接続の契約なのでこの性能を活かせないのが惜しいですが、実際どう影響するのやら。
NVMe M.2 SSDが2枚挿せるのもいいですね。従来メインで使ってきた950ProをPCIe Gen3(×2接続)のポートに挿して、一緒に運用できるから既存パーツも有効活用できます。ヒートシンクもごついのがそれぞれ付属してて、結構冷やせそう。
ただここで、思わぬ盲点が・・・(下記参照)
筆者は購入後にこの仕様を知り、少し落胆しましたが・・・まぁいいでしょう(いいんかいww)
参考ページ: ASRock B550 Steel Legend🔗
【グラボ】ASUS DUAL-RTX4060-O8G
MSI GeForce GTX1060 AERO ITX 6G OCからASUS Dual GeForce RTX4060 OC Edition 8GB GDDR6に変えました。
これはNVIDIA最新のAmpereアーキテクチャを採用したグラフィックスカードで、CUDAコア数は3072基と、従来のGTX1060 6G版の1280基の2.4倍で、VRAM容量は8GBと約1.3倍です。
VRAM性能はGDDR5からGDDR6に、チップも製造プロセスが16nmから5nmに微細化されており、接続インターフェースもPCIe Gen3からGen4へ順当なアップグレードとなります。
また、レイトレーシングやDLSS3、AV1ハードエンコーディングなどの最新技術にも対応していますし、性能はRTX3060Tiとほぼ同等(CUDAコアが少ない分、数値的には少し負けてるけど体感はそこまで変わらない)となっている。
最新世代にバージョンアップされている分、クリエイティブ系処理(AI処理や画像・動画編集)には強くなっているみたい。
GTX1060 6G版はシングルファンだったが、今回のASUSグラボは名前の通りDUALファンなので、冷却性能も期待できます。
その割に、TDPはGTX1060 6GB版の120Wよりも5W少ない「115W」となっており、電気代が高騰する昨今のお財布事情にも貢献してくれます。
これだけ高機能かつ高性能で、金額も売り出し価格の5.3万より1万安い、4.3万程度で運よく入手できました。
ただ、それでもGTX1060 6GB版を3.2万程度で購入した6年前と比べると、メインストリームのグラボでも価格帯はずいぶん上がってるので少々残念に思いました。
- 現行パーツ(MSI GeForce GTX1060 AERO ITX 6G OC)とのスペック比較表
項目 | MSI GeForce GTX1060 AERO ITX 6G OC | ASUS Dual GeForce RTX4060 OC Edition 8GB GDDR6 |
---|---|---|
グラフィックエンジン | NVIDIA GeForce GTX1060 | NVIDIA GeForce RTX4060 |
バスインターフェース | PCIe 3.0 x16 | PCIe 4.0 x8 |
アーキテクチャー | Pascal | Ada Lovelace |
コードネーム | GP106 | AD107 |
発売時期 | 2016 Q3 | 2023 Q2 |
CUDAコア | 1280基 | 3072基 |
L1キャッシュ | 48KB | 128KB |
L2キャッシュ | 1536KB | 24MB |
FP16 (半精度) | 68.36GFLOPS | 15.11TFLOPS |
FP32 (単精度) | 4.375TFLOPS | 15.11TFLOPS |
FP64 (倍精度) | 136.7GFLOPS | 236.2GFLOPS |
ベースクロック | 1544MHz | 1830MHz |
ブーストクロック | 1759MHz | 2535MHz |
メモリ容量 | 6GB GDDR5 | 8GB GDDR6 |
メモリ速度 | 16.016Gbps | 17Gbps |
メモリバス幅 | 192bit | 128bit |
メモリ帯域幅 | 192.2GB/s | 272GB/s |
プロセスルール | TSMC 16nm | TSMC 5nm |
OpenGL | 4.5 | 4.6 |
DirectX | 12 | 12 |
TDP | 120W | 115W |
推奨電源容量 | 400W | 550W |
サイズ | 175 × 115 × 38 mm | 227.2 x 123.24 x 49.6 mm |
外部出力端子 | Displayport 1.4×2、HDMI 2.0b×2、DL-DVI-D×1 | Displayport 1.4a×3、HDMI 2.1a×1 |
電源コネクタ | 1 × 6-pin | 1 × 8-pin |
参考ページ: ASUS Dual GeForce RTX™ 4060 OC Edition 8GB GDDR6🔗
以上が、今回アップグレードしたパーツの紹介でした。次に、アップグレード後のPCの見た目と性能について見ていきましょう。
アップグレード後のPCの見た目と性能
パーツ交換後のPC筐体内の様子はこちらです。写真を見てもらえればわかると思いますが、かなりスッキリとした感じになりました。特にストレージはM.2タイプにしたので、ケーブルが減ってすっきりしました。また、グラボも小型化されているので、空間が広くなりました。
裏配線機構のないケースなのでかなりお見苦しいケーブルの取り回しになってますが、RGBファンも正常に動作しており、とりあえずは様子見です。
PCクーラーも高さ150mmながら、引っかからずに強化ガラスの中に収めることができたので一安心。
以前使ってたシングルファンのGTX1060 6G版には及ばないですが、このグラボも案外コンパクトに筐体内に収まってくれてます。
後で知りましたが、ASUSロゴもGeForceロゴも光る機構はないので、あくまで光り物には興味のない方向けの商品になってますね。でも、ASUS製のグラボは今回初なので特に安定感(メンテナンスフリーで長期運用できるか?!)は期待大!
CoolerMasterの電源ユニットも元気に動いてくれてるみたいです。
以前は排気ファンを上向きにして、筐体内のエアフローと混在させてましたが、今回はちょっと調べてみて下向きで独立させたほうが安定する、という記事をいくつか見かけたので、下向きに変更して取り付けてみました。まぁCPUクーラーも強力なものになったし、ケース内の空気循環については問題ないと信じてます!
それでは、性能向上について見ていきましょう。以下のベンチマークテストでスコアを比較してみました。
- CINEBENCH R23
- 3DMark Fire Strike
- 3DMark Timespy
- CrystalDiskMark
- Passmark(PerformanceTest)
- PCMark10
- FF14(最高品質、高品質)
- FF15(高品質、標準品質)
- Blue Protocol(最高画質、高画質、中画質)
- Stable Diffusion WebUI
CINEBENCH R23
Before
After
CINEBENCH R23では、CPUのシングルコアスコアが832から1489に、マルチコアスコアが6222から10460に上がりました。これは約1.8倍と約1.7倍のスコア上昇です。Zen1からZen3へのアーキテクチャ進化の効果がよく出ているのがわかります。
CINEBENCH R23のダウンロード先はこちら (Maxon)🔗
3DMark Fire Strike
Before
After
3DMark Fire Strikeでは、グラフィックススコアが8792から28803に、物理スコアが15108から22727に上がりました。これは約3.3倍と約1.5倍のスコア上昇です。RTX4060のパワーが発揮されているのが分かります。
それにしてもより低いTDPで3.3倍の伸びは凄い・・・電気代を気にせずに遊べる!😓
3DMark Fire Strikeのダウンロード先はこちら (Steam)🔗
3DMark Timespy
Before
After
3DMark Timespyでは、グラフィックススコアが2755から10662に、CPUスコアが5290から7701に上がりました。これは約3.9倍と約1.5倍のスコア上昇です。こちらもRTX4060とRyzen 5 5600Xの相乗効果が見られます。
3DMark Timespyのダウンロード先はこちら (Steam)🔗
CrystalDiskMark
SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT
Predator GM7 2TB
CrystalDiskMarkでは、Predator GM7 2TBの読み込み速度が平均で7263MB/s、書き込み速度が平均で6246MB/sでした。これは製品仕様通りの高速さですね。SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/ITと比較すると、読み込み速度は約2.8倍、書き込み速度は約4.1倍速くなっています。
シーケンシャルリード/ライトは接続インターフェース世代の差と、NANDフラッシュの大きな性能差により圧倒的な伸びを見せる一方で、ランダムアクセスについては僅差となっており、空き容量が少ない状態かつPCIe Gen3(x4)接続ながらもランダムアクセス速度が早いのは、DRAMキャッシュ有による優位性であると考えられます。
PCIe Gen3(x4)からPCIe Gen3(x2)へ変更した影響はどの程度?
B550 Steel LegendのM2_2スロットへ換装した場合、前述のとおりPCIe Gen3(x2)接続に制限されるため、どの程度影響するかを再度ベンチマークテストを行いました。
その結果がこちら↓
SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT (PCIe Gen3(x4接続))
SAMSUNG 950 PRO M.2 MZ-V5P512B/IT (PCIe Gen3(x2接続))
PCIe Gen3(x4)接続時と比較すると、読み込み速度は平均で約41%低下し、書き込み速度は平均で約0.5%上昇しました。書き込み速度の上昇は想定外でしたが、やはり、接続インターフェースのバス幅が半分に制限されたことで、物理的にシーケンシャルリードは性能劣化が生じてしまっています。
一方で、ランダムアクセスについては、読み込み速度は平均で約1.4倍、書き込み速度は平均で約1.7倍速くなっており、パーティション構成見直しにより空き容量が増えたこともありますが、他パーツの性能アップやOSがWindows10→11に変わったことなど、諸々が複合的に影響して接続性能が上がっている可能性がありそうです。
実際に使用しているときは、体感的にも少し早くなってるように感じる場面もあり、必ずしもPCIe接続の制約が凶と出るわけでもないことが分かって嬉しいです😄
ちなみにですが・・・参考までにSATA接続のSeagate ST2000LM003 (2TB)のベンチマークテストも実施したところ、下記のような結果になりました。
Before
After
空き容量は少なくなっているにも関わらず、以前と比べてシーケンシャルの読み込み速度・書き込み速度ともに平均で約1.3倍速くなっています。ランダムアクセス速度も軽微ですが読み込み速度が約5%、書き込み速度が約7%速くなっており、接続インターフェース(SATA600)の性能は同一なので、最新世代のOS×CPU×マザボの組み合わせでは、先ほどのSSDと同じく、アクセス性能が向上しやすい傾向にありそうですね。
Passmark(PerformanceTest)
Before
After
PassmarkのPerformanceTestでは、総合スコアが5317から10120.5に上がりました。これは約1.9倍のスコア上昇です。各項目でも大幅な改善が見られます。特に、3Dグラフィックスマークが7599.9から19968.2に、ディスクマークが14228.8から49645.5に上がっています。これは約2.6倍と約3.5倍のスコア上昇です。やはり、RTX4060とPredator GM7 2TBの効果が大きいですね。
CPUマークも約1.8倍とすごいですが、予想外だったのが何も変わってないはずのメモリマークで、約1.2倍のスコア上昇となってます。これも周辺の最新パーツによる相乗効果なのでしょうね。
PCMark10
Before
After
PCMark10では、総合スコアが4455から6866に上がりました。これは約1.5倍のスコア上昇です。特に、DIgital Content Creationが5510から10200に上がっており、約1.9倍の伸びが見られますが、他の項目はそこまで顕著な変化はありませんでした。
やはり、RTX4060とPredator GM7 2TBの相乗効果が表れた、という感じでしょうかね。
FF14
FF14(最高品質)
Before
After
FF14(高品質)
Before
After
FF14では、最高品質でのスコアが6705から22010に、高品質でのスコアが7293から22747に上がりました。これは約3.3倍と約3.1倍のスコア上昇となります。 また、ローディングタイムについても、最高品質では27.670secから9.502secに、高品質では27.664secから8.526secに大幅に短縮されており、どちらも非常に快適にプレイできるレベルとなりました。
FF15
FF15(高品質)
Before
After
FF15(標準品質)
Before
After
FF15では、高品質でのスコアが3311から10277に、標準品質でのスコアが4608から14550に上がりました。これは約3.1倍と約3.2倍のスコア上昇です。標準品質では非常に快適にプレイできるレベルのようですが、高品質ではとても快適と基準が一つ落ちているので、高フレームレート環境でプレイしたいなら品質設定を少し落とした方がよさそうです。
RTX4060でも高品質設定のクリアが難しいなら、RTX4060TiやRTX4070が必要になりますね・・・(高すぎて手が出せない😓) ただ、これは予想ですが、RTX40シリーズから導入された最新の「DLSS3」にはこのベンチマークテストは対応していない可能性があるので、あくまで参考程度に見ておくのが良いでしょう。
Blue Protocol
Blue Protocol(最高画質)
Before
After
Blue Protocol(高画質)
Before
After
Blue Protocol(中画質)
Before
After
Blue Protocolでは、最高画質でのスコアが4949から19255に、高画質でのスコアが6640から24565に、中画質でのスコアが7301から26545に上がりました。これは約3.9倍と約3.7倍と約3.6倍のスコア上昇になります。こちらは最高画質で快適にプレイできるレベルですね。
GTX1060 6G版の際は、最高画質だと設定変更を促されていたのに、今回RTX4060に換装したら最高ランクのスコアに急上昇したので驚きました。
以上が、各種ベンチマークテストでの性能比較でした。どれも大幅にスコアが上がっていますね。特にCPUとグラボは目立った改善が見られます。AI画像生成や動画編集も快適にできるようになりました。ゲームも高設定で快適にプレイできます。
Blue Protocolベンチマークソフトのダウンロード先はこちら🔗
Stable Diffusion WebUI
Before
After
Steps:50で解像度768x768、モデルはStable Diffusion v2.1の本家、バッチサイズ2に対してバッチ回数10回を指定して、画像生成を行った結果です。
驚くべきはその所要時間で、「33分55.7秒」→「3分44.4秒」と大幅な高速化に成功している。上記の条件に限られるが、GTX1060 6G版の約11倍のスピードで画像生成が出来るのは素晴らしい😄
Stable Diffusion WebUIのダウンロード先はこちら🔗
各種スペック確認
各種スペック情報については以下のツールで比較してみました。
- CPU-Z
CPU-Z
CPU
Before
After
TDP65Wは継承しつつ、アーキテクチャはZen1(14nm)→Zen3(7nm)に刷新されています。
キャッシュサイズについても、L3キャッシュのみ2倍の32MBに変わっているようです。
コア数、スレッド数などの基本要素はそのままで、クロック周波数が多少上がってますね。
マザーボード
Before
After
メーカーがASUS→ASRockに変わり、チップセットはB350より2世代新しいB550になりました。
PCIe Gen4に対応した一方で、搭載したグラボ(RTX4060)はx16接続の半分しか使われないので、表示上のリンク幅もx8となってますね。
グラボ
Before
After
CPU-Zのデータベースが更新されていないせいか、搭載チップや製造プロセスは空欄となってました。RTX4060は2023年6月29日に発売されたばかりなので、致し方無いのかもしれません。
TDPが5W下がって115Wになり、VRAMは2G増えて8GかつGDDR5→GDDR6に世代が新しくなっています。ただ、メモリバス幅は192bits→128bitsに削減されているので、WQHD以上のディスプレイ解像度では性能的に厳しいでしょうね。
それにしても、アイドル時のクロック周波数がかなり低いので、こういう部分が省電力につながってるのでしょう。
ちなみに、CPUクーラー交換後のPC筐体内の様子はこちらです。写真を見てもらえればわかると思いますが、CPUクーラーが明るく光っており、雰囲気が一変しました。
また、冷却性能も向上していました。1600の頃からの比較ですが、だいたい10~15℃くらいはリテールクーラーより冷やされてて、ケース内のエアフローも少しばかり改善されたように感じます。
以前はケースの側面にある強化ガラスに触れると、本当に熱いときは熱かったのですが、換装後はある程度負荷掛けしてもそこまで極端に熱くなったことはないです。
今回のパーツ換装に伴う出費について
購入結果
項目 | パーツ | 金額 | 購入先 |
---|---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 5600X BOX | 32,895円※マザーボードとセット | ソフマップ |
マザーボード | ASRock B550 Steel Legend | 32,895円※CPUとセット | ソフマップ |
CPUクーラー | DeepCool AG400 ARGB | 3,250円 | ドスパラ |
ストレージ | Predator GM7 2TB | 11,780円 | Amazon |
グラボ | ASUS DUAL-RTX4060-O8G | 43,743円 | Amazon |
合計金額 |
---|
91,668円 |
CPUクーラー以外は全て各店舗のセールに乗っかって購入。CPUに関してはもう少し早く検討を着手できてたら、5700xが買えてたかもしれないけど、5600xでも性能的には十分すぎるのでこれでとりあえず満足。
グラボの金額は今後どうなるか本当に未知数だけど、欲しい時に最適な商品を選んで即決できたので後悔は無し!😓
売却結果
項目 | パーツ | 金額 | 売却先 |
---|---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 1600 BOX | -2,180円(CPUクーラーとBoxセットで売却) | ソフマップ |
CPUクーラー | AMD Wraith Stealth Cooler | -2,180円(CPUとBoxセットで売却) | ソフマップ |
マザーボード | ASUS ROG STRIX B350-F GAMING | -4,200円 | じゃんぱら |
グラボ | MSI GTX 1060 AERO ITX 6G OC | -7,500円 | じゃんぱら |
合計金額 |
---|
-13,880円 |
CPUクーラーが少し汚かったらしく20%減額されたが、ソフマップの買取サイトに初回登録したら自動的に500円分のお金が付与されてたので、査定額の受領時に合わせて現金にしてもらい、トータルで上記の金額になった。
じゃんぱらのほうは満額査定で、手続きもかなりスムーズだったので好印象。
6年も経って劣化もあるし、性能的にも今となっては心もとないパーツながらも、売ればお金になるというのは非常に有難いと思った。
筆者は全て残していたので事なきを得たが、購入したパーツの箱や説明書などは絶対残しておいた方がいいね。やはり、売却する際に査定額が下がってしまうので、出来るならすべて揃った状態で売りに行くのが吉。
サマリ
購入金額 | 売却金額 | 差引支払額 |
---|---|---|
91,668円 | -13,880円 | 77,788円 |
今回は買取も踏まえて、差引8万弱でCPU、CPUクーラー、SSD、マザボ、グラボの5点を購入できたので、比較的良い買い物になったと思う。
アップグレードの感想とまとめ
最後に、今回パーツ交換して良かったと思います。多少お金はかかりましたし、円安傾向の中で人気の乏しいRTX4060を選んだのは少し不安でしたが、想定以上の結果が得られて満足です。これでしばらくは快適にPCライフを楽しめそうです。もし、自作パソコンをアップグレードしたいと考えている方がいたら、ぜひ参考にしてみてください。それでは、今回はこの辺で。ありがとうございました。
以上が、私が自作パソコンをアップグレードした話でした。みなさんも自作パソコンに興味があれば、ぜひ挑戦してみてください。自分の好みに合わせてカスタマイズできるのが魅力ですよ。それでは、また次回お会いしましょう。バイバイ。