こんにちは、ねむです。
私が最近観た映画の中で、最も印象深い映画『流転の地球2(中文名:流浪地球2、英名:The Wandering Earth 2)』についてご紹介します。
この映画の前作『流転の地球(中文名:流浪地球、英名:The Wandering Earth)』は世界的にもかなりの反響があり、個人的にもおそらく10回は見直すほど気に入っていました。何といっても映像美と世界観にすぐに惹き込まれてしまうほど、没入感が凄さまじくここ数年でのお気に入り作品の一つです。
本作はそんなお気に入り作品の続編ということもあり、期待大です。まだ一度しか観れてないので、中国語の勉強も兼ねて、おそらくあと5回は観ることになると思います!!
あらすじ
前作のあらすじ
前作『流転の地球』では、太陽の赤色巨星化が数百年以内に迫り、人類が存続のために地球ごと太陽系を脱出するという途方もないスケールの物語が描かれていました。
地球は巨大なエンジンで推進され、木星の重力を利用して太陽系から飛び出そうとします。しかし、木星での事故により、地球は木星に引き寄せられてしまいます。
その危機を救うために、主人公・刘启(リウ・チー)と彼の仲間たちは地下都市から地表へと出て、地球を救うために奮闘します。
続編(本作)のあらすじ
続編の『流転の地球2』では、前作の物語が始まる前の出来事にあたり、脱出計画の前身である移山計画が描かれています。
2044年、宇宙エレベーターが崩壊し、地球は大混乱に陥ってしまいます。この事故は人類に衝撃を与え、太陽系からの脱出を考えるきっかけとなります。
2058年、月で暮らす人々は月面基地の崩壊に見舞われます。この事故は月からの脱出を急がせることとなります。
2075年、木星での探査任務中に事故が発生し、多くの犠牲者が出てしまいます。この事故は木星でのエネルギー採取を困難にします。
2078年、太陽はヘリウムフラッシュを起こし、地球は炎に包まれます。この事故は地球からの脱出を不可避にします。
そこから人類の存続をかけた戦いが始まりました。
前作の主人公・刘启(リウ・チー)の父である、主人公・刘培强(リウ・ペイチアン)は、若き日から移山計画に携わり、地球を救うために奮闘します。
彼は仲間や家族と共に数々の困難に立ち向かい、最終的には地球を動かす巨大なエンジンを建造することになります。
『流転の地球2』を実際に観て感じたこと
ストーリー・人間関係
ストーリーとしては、前作よりも人間ドラマや感情的な要素が強調されているように思います。
一方で、ストーリーは比較的複雑で、理解しづらい部分もあります。前作とは時系列が異なるため、登場人物の関係や設定について、前作を観たことがある人でも混乱しやすいと思います。
また、科学的な説明や政治的な要素も多く、理解するのが少々大変に思いました。さらに、中国のナショナリズムやプロパガンダが強く感じられる場面もあって、観客の受け止め方によっては違和感を覚えるかもしれない。
そんなスターウォーズのような段階を踏んでいく本作ですが、しっかり理解できさえすれば魅力的な物語だというふうに感じました。
刘培强(リウ・ペイチアン)
父親として息子・刘启(リウ・チー)との関係や、恋人としてハン・ドゥオとの関係などに悩みながらも、人類の未来を信じて自分の使命を果たそうとする姿が描かれています。
また、彼と共に戦う仲間たちや家族たちもそれぞれに個性や背景があり、感動的なシーンも多いと思います。
特に、刘培强(リウ・ペイチアン)の父・刘云发(リウ・ユンファ)や、月で暮らす刘启(リウ・チー)の母韩朵朵(ハン・ドゥオドゥオ)の運命は涙を誘われる内容だと思います。
刘云发(リウ・ユンファ)や韩朵朵(ハン・ドゥオドゥオ)は、前作『流転の地球』では登場しませんでしたが、続編『流転の地球2』では重要な役割を果たしています。
刘云发(リウ・ユンファ)
移山計画の初期メンバーであり、宇宙エレベーター崩壊事故や月面基地崩壊事故などに巻き込まれながらも、地球を救うために奮闘します。
息子の刘培强(リウ・ペイチアン)や孫の刘启(リウ・チー)とは違って、地球に残ることを選び、最後まで地球を守るために戦う運命を辿ります。
韩朵朵(ハン・ドゥオドゥオ)
月で暮らす科学者で、刘培强(リウ・ペイチアン)の妻。刘培强(リウ・ペイチアン)とは月で出会い、恋に落ちます。
刘培强(リウ・ペイチアン)が地球を動かすエンジンの制御を担当するために宇宙ステーションに行くとき、韩朵朵(ハン・ドゥオドゥオ)は月に残ることになります。
韩朵朵(ハン・ドゥオドゥオ)は、刘启(リウ・チー)を出産するが、月面基地崩壊事故で亡くなってしまいます。
息子・刘启(リウ・チー)は生まれてすぐに地球に送られ、祖父の韩子昂(ハン・ジアン)に育てられることになります。
映像
『流転の地球2』は、「中国初のブロックバスターSF」として2019年に話題を呼んだ前作『流転の地球』の続編として期待されていた作品です。
製作費は前作の5,000万ドルから倍増した1億ドルという巨額であり、VFXやセットなどの規模も前作を上回っています。
映像面では、宇宙エレベーター崩壊や月面基地崩壊などの壮大なカタストロフィックシーンや、木星や太陽などの惑星や恒星をバックにしたスペースオペラ的なシーンなどが見どころだと思います。
特に太陽から放たれる炎や光が美しくも恐ろしくも描かれており、かなり圧倒されます。
映像技術の進歩や予算の増加により、前作よりもリアリティや迫力が増していると感じました。
私個人としての評価スコア
- ストーリー・人間関係:4/5
- 映像:5/5
- 総合評価:4/5
総合評価
総合的に見て、『流転の地球2』は前作以上にスケールの大きいSF映画として見応えがある作品だと思います。
映像や音響は圧巻であり、人間ドラマや感情的な展開も心を揺さぶられることがしばしばありました。
一方で、ストーリーや設定は複雑で分かりにくい場面が比較的多いのと、中国色が強いので、日本人の観客に対しては好みで評価が分かれることになりそうです。